7月上旬から月末まで、3週間ほどアメリカ、グアテマラへ行っていて
イギリスを離れていた。 久しぶりにロンドンの街中を歩いて、
swine flu 関連情報がずいぶん増えているような感覚を覚える。
例えば、地下鉄。 地下へ続くエスカレーターの両脇には、
ミュージカルや格安航空券などの宣伝が並んでいるのだが
その合間、合間に、かなりの頻度でswine flu の公共広告が出てくる。
電話番号とウェブサイトだけを載せたシンプルな広告なのだが、
くしゃみをしている人が女性や子供のバージョンもあり、
あちこちに掲載されている。 もちろん、イギリスを離れる以前にも
こうした広告は掲載されていたのだが、その数が一気に増えた印象。
もちろん、これは感染者の数が一気に増えていることと無関係ではない。
7月2日に、政府は「封じ込め」が困難なことを認め、感染拡大を前提とした
政府の対応が「隔離・封じ込め」から「治療」へ移ったことを発表した。
このまま感染拡大が続けば、8月終わりには、一日に新規感染者が
10万人発生する、という予測もあり、まさにpandemic なのだが、
実際、23日のニュースによると、一週間で10万人の感染者が発生したとあり、
一日10万人という予測へ着実に近づいているように見える。
政府は、情報提供と、簡単なチェックリストを使った早期診断、ワクチンの提供を行う
The National Pandemic Flu Service を立ち上げたが、早くもサービスセンターの
電話回線はパンク状態だとか。
ただ、現在のウィルスが弱毒性であることを考えれば、本当に警戒すべきなのは
今回のウィルス(H1N1型)のパンデミックそのものではなく、
このウィルスとの相互作用で、超強毒性の鳥インフルエンザウィルス(H5N1型)が
ヒトへの強い感染力を備えることだということが分かる。 H5N1型ウィルスが、
例えば豚の体内で、人間同士の感染を引き起こす感染力を備えた
インフルエンザに変異する、というのが最悪のシナリオなのだ。
先進国ではほぼ治まった鳥インフルエンザだが、途上国では
今年に入っても継続的に死者が発生している(例えばエジプトや中国)。
H5N1型は、現在までに10系統の亜種に分かれているのだが、
従来、鳥の体温(42度付近)で増殖しやすかったH5N1の中に、
ヒトの体温で活発に増殖する変異型が見つかっているという (Foresight6月号)。
途上国の多くが位置する南半球は、ウィルスの活動が活発になる冬を迎える。
H5N1型ウィルスの感染が続く国々にH1N1型ウィルスが広がり、
突然変異を引き起こす可能性はゼロではない。


私も英国に住んでいますが、英国政府の薦める「せきをするときは、新しいティッシューをあてて下さい。マスクは推奨しません」というのは、どうかなと思います。マスクはもちろん完全ではありませんが、ティッシューよりましでしょう。実際、医療機関では使用しているわけですから。そもそも、せきをするときに新しいティッシューをあてるなどというのが現実的とは思われません。要は、マスクの在庫がないということでしょうか。予防接種も大事ですが、マスクの在庫を増やすべきではないかと考えます。長々と失礼しました。今後のご活躍を祈念しております。
投稿: london_bitter | 2009年8 月 7日 (金) (01:26)
コメントありがとうございます。 「感染者(感染の疑い含む)はマスク装着が望ましい」とあるように、マスクは予防というよりは更なる感染を防ぐための措置と考えられているようですね。 マスク装着をすることで他の対策が疎かになることを懸念しているのでしょう。 ティッシューがマスクより好ましいとされているのは、すぐにゴミ箱行きなので、菌が付着した可能性のある箇所に触れるリスクが低いからではないか、、と想像します。
投稿: Hayato | 2009年8 月16日 (日) (08:54)